〜具体的な繁殖概論〜
♀が♂を選ぶ
人類も含めて有性生殖生物のほとんどは♀に繁殖相手となる♂を選ぶ権利がある。そして、♀は子孫を残す上でより強い♂を選ぶ。これは♂がハーレムを形成する種でも同様である。
基本的に成熟した♂は受け入れてくれる♀がいれば、いつでもその行為に及ぶしかなく、拒否権はないに等しい。人の♂が24時間で精子を蓄えられるのもそういった性質によるものである。よって、繁殖を望む場合は♀を最優先して選ぶことが重要であろう。
繁殖する季節
多くの生物は繁殖する季節がある。いつでもOKという人類のような欲張りな生物でも本来は盛夏と真冬が終わり過ごしやすくなると性欲が増してくる。
一方、鳥類は繁殖期が明確なものが多く、日照時間、気温変化を微妙に判断し、繁殖行動をとるようになる。一般的に、私たちが飼育する鳥たちは春から初夏にかけて繁殖する。
結果として、室内で飼育したりしなければ冬を乗り切れないタイプの種又はそのような飼育方法で飼育している個体であっても、日照時間(光周期)など季節を感じさせるような自然に近い状態で飼育したほうが繁殖させやすくなるだろう。また、この時期は餌となる虫や植物などの餌が豊富な時期でもあることも見逃せない。
餌の追加又は変更
多くの生物は一日の大半を餌探しに費やしている。特に、鳥類は飛ぶために体を軽くする必要から猛禽類などの一部を除き多くの種で”食い溜め”ができない構造になっているので、尚更である。通常は種子食(草食)であると判断される種でも餌の豊富になった繁殖期には動物性蛋白質を摂り、またそれが必要であることも少なくない。
渡りのタイプによる繁殖の可能性
羽のある鳥は避暑又は避寒あるいは繁殖するために渡りをするものが少なくない。一方、飼育下で繁殖させるには渡りをするタイプの種は適さないという意見もあるようだが、私の考えはそうではない。
確かに、渡りをするタイプの鳥種は渡りをすること自体が繁殖行動に繋がる可能性を否定できなくはないが、その類の小鳥を国内で通年飼育しても春になれば繁殖行動の一つである囀りをする。そのことからも渡りそのものが繁殖行動に繋がるとは考え難い。もっとも、その地域に留まり四季を感じながら繁殖期に繁殖する留鳥のほうが扱いやすいとは思うが・・・。
食性による繁殖の可能性
アマチュアの飼育家が色々な種を繁殖することは不可能に近い。基本的に動物食種の繁殖は餌の確保と選択が難しいだけに厳しい。
やはり、繁殖させ易いのは、平常時に種子系の餌を摂るものであろう。
タイプによる抱卵・育仔の仕方
本来、集団(群れ)で生活する哺乳類である人の場合は必ずしも♂と♀のペアーが揃って子を育てる必要はなく、♀だけで子育てすることが可能である。同様に多くの鳥類も基本的な抱卵・育雛の役割が♀である種が圧倒的に多い。もちろん、夫婦が協力して繁殖をするものも少なくないが、基本的に次のような育雛形態に大別されるであろう。
@雛の餌が動物や昆虫など捕獲を要する種の場合は夫婦協力型の抱卵・育雛をするものか、又は♂が抱卵している♀に餌を運んだりするものが多い。
A雛の餌が種子系の場合は♀が抱卵・育雛を担当し、♂は見張り役と補助役である場合が多い。
B孵化した雛がすぐに歩けるキジ科などでは♀だけで抱卵・育雛し、♂は交尾するだけの場合が多い。 |