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鳥類繁殖の基本概念
2003/01/11 変更

鳥類繁殖の基本概念 - オウム繁殖の基本指針 オウム雛の成長写真 オウムの繁殖データ

〜はじめに〜
 本修正以前に大型インコ・オウム類では「人口保育された個体では繁殖を望めない」とした記述を訂正し更なる分析を加える。

〜概論〜
 基本的に鳥類に限らずほとんどの有性生物は成熟した♂と♀がいれば、飼育環境下でも子孫を残すようにできている。そのために最も重要なことは詳細な繁殖技術を学ぶより生態を理解することが重要である。また、基本的な概念を理解した方が細かな技術を学ぶよりはるかに確実性があり、しかも応用が利く。
 また、あまり深刻になっていじり回してはならない。飼育者に対する少々の馴れと安全を保証してやることが最も大事なことだと理解し、焦らずにじっくり落ち着いて理論を確認しながら飼育しよう。
 何はともあれ、繁殖に適する個体の選択眼を養い、入手するタイミングを外さないようにすることが最初のスタートである。
 尚、このページでは私たち人類と鳥類を比較しながら繁殖行動を考察している部分もある。私としては決して卑猥な表現をするつもりはないが、見方によってはその恐れがないわけではないので、ご理解ねがいたい。

〜人類を例に生殖を考える(概論)〜

交尾行動の基本概念(修正) 
 本来、人の場合も♂♀が成熟すれば、本能に従い相手を見つけて繁殖行動をとるようになる。私自身は育仔型有性生殖生物(高等動物ほど)の繁殖行動には学習が必要だと思っているが、それを要せず本能に従い繁殖行動と育子するものも少ないくないのもまた事実である。しかし、一部の種ではヘルパーと呼ばれる親以外(親族の場合が多いという)の個体が育雛を手伝うものもある。これは学習のひとつとみてよいと思う。
 一方、雛の時に巣から出されて人に育成された手乗りの鳥たちにはこの学習ができないが、種によっては本能だけで繁殖行動をとり、上手に育子するものものあるが、基本的にはこれらの個体は、巣立ちまで親に育てられた個体に比べると繁殖が下手な場合が多い。
 現実的に、人の場合は3畳の部屋でも繁殖行動を起こし、必ずしも大きな部屋やフカフカなベットはもちろんエアコンなど良好な環境や設備を必要としていない。”情緒”や”嗜好”という精神行動を持つ私たち人類といえども、本来は狭い空間、薄暗く静かな環境の方が繁殖しやすいと思って良い。人類が自己を守るために洞窟など狭い空間で生活していたことを考えると無理のない自然な考えだと思う。趣味・嗜好の問題はともかく最低限、命が保証される安全性がなければ繁殖どころではない。
 ここで私が申し上げたいのは、生殖行動のパターンは意外に簡単だということである。多くの方は、大空を手に入れた鳥たちが飼育下で繁殖するためには、大きなケージ(空間)が必要だと思うかもしれないが、私は必ずしもその考えを支持していない。繁殖に必要な面積は巣の廻りの僅かなスペースであり、その他のテリトリーは餌を摂る場所でしかないとの見方をしている。
 最も重要なことは他から覗かれたり、音などの不安材料がない。つまり、他からの刺激のない安全な環境を確保することであって、その他の環境はこの大前提の下に位置しているとの考えである。

〜具体的な繁殖概論〜

♀が♂を選ぶ
 人類も含めて有性生殖生物のほとんどは♀に繁殖相手となる♂を選ぶ権利がある。そして、♀は子孫を残す上でより強い♂を選ぶ。これは♂がハーレムを形成する種でも同様である。
 基本的に成熟した♂は受け入れてくれる♀がいれば、いつでもその行為に及ぶしかなく、拒否権はないに等しい。人の♂が24時間で精子を蓄えられるのもそういった性質によるものである。よって、繁殖を望む場合は♀を最優先して選ぶことが重要であろう。

繁殖する季節
 多くの生物は繁殖する季節がある。いつでもOKという人類のような欲張りな生物でも本来は盛夏と真冬が終わり過ごしやすくなると性欲が増してくる。
 一方、鳥類は繁殖期が明確なものが多く、日照時間、気温変化を微妙に判断し、繁殖行動をとるようになる。一般的に、私たちが飼育する鳥たちは春から初夏にかけて繁殖する。
 結果として、室内で飼育したりしなければ冬を乗り切れないタイプの種又はそのような飼育方法で飼育している個体であっても、日照時間(光周期)など季節を感じさせるような自然に近い状態で飼育したほうが繁殖させやすくなるだろう。また、この時期は餌となる虫や植物などの餌が豊富な時期でもあることも見逃せない。

餌の追加又は変更
 多くの生物は一日の大半を餌探しに費やしている。特に、鳥類は飛ぶために体を軽くする必要から猛禽類などの一部を除き多くの種で”食い溜め”ができない構造になっているので、尚更である。通常は種子食(草食)であると判断される種でも餌の豊富になった繁殖期には動物性蛋白質を摂り、またそれが必要であることも少なくない。

渡りのタイプによる繁殖の可能性
 羽のある鳥は避暑又は避寒あるいは繁殖するために渡りをするものが少なくない。一方、飼育下で繁殖させるには渡りをするタイプの種は適さないという意見もあるようだが、私の考えはそうではない。
 確かに、渡りをするタイプの鳥種は渡りをすること自体が繁殖行動に繋がる可能性を否定できなくはないが、その類の小鳥を国内で通年飼育しても春になれば繁殖行動の一つである囀りをする。そのことからも渡りそのものが繁殖行動に繋がるとは考え難い。もっとも、その地域に留まり四季を感じながら繁殖期に繁殖する留鳥のほうが扱いやすいとは思うが・・・。

食性による繁殖の可能性
 アマチュアの飼育家が色々な種を繁殖することは不可能に近い。基本的に動物食種の繁殖は餌の確保と選択が難しいだけに厳しい。
 やはり、繁殖させ易いのは、平常時に種子系の餌を摂るものであろう

タイプによる抱卵・育仔の仕方
 本来、集団(群れ)で生活する哺乳類である人の場合は必ずしも♂と♀のペアーが揃って子を育てる必要はなく、♀だけで子育てすることが可能である。同様に多くの鳥類も基本的な抱卵・育雛の役割が♀である種が圧倒的に多い。もちろん、夫婦が協力して繁殖をするものも少なくないが、基本的に次のような育雛形態に大別されるであろう。
@雛の餌が動物や昆虫など捕獲を要する種の場合は夫婦協力型の抱卵・育雛をするものか、又は♂が抱卵している♀に餌を運んだりするものが多い。
A雛の餌が種子系の場合は♀が抱卵・育雛を担当し、♂は見張り役と補助役である場合が多い。
B孵化した雛がすぐに歩けるキジ科などでは♀だけで抱卵・育雛し、♂は交尾するだけの場合が多い。

〜具体的な繁殖指針〜

(再々修正)種親の選択
 基本的に、親に巣立ちまで育てられた個体であることが望ましいが、人口保育された個体で繁殖を狙えないわけではない。
 例えば、鶏系のチャボの場合は孵卵機育ちの個体でも親に育てられた個体と同様に抱卵・育雛し、他の鶏でも営巣性のある種はチャボ同様だというのが一般的である。
 一方、チャボを仮母として育ったキンケイ鳥などキジ科の一部では、営巣しないという話しもあるが、実母に育てられた♀は抱卵・育雛が上手だという。
 セキセイインコの場合では手乗り用の個体は「抱卵・育雛が下手だ」という報告がある一方で「問題ない」という意見もある。
 一般的に繁殖が下手だという評価の文鳥では、仮母に育てられた個体も人口保育個体でも種親としての抱卵・育雛能力には大差なく下手だという意見もある一方で、実親に育てられた個体が相対的に上手だという。
 また、中型及び大型オウム類では、人口保育された個体でも上手に巣引きしている実績があり、むしろ天然捕獲個体よりは人に馴れている分だけ適するとの意見もある。
 つまり、種あるいは個体によって人口保育個体が繁殖しにくいというものと問題ないものの両方タイプがありそうである。
 が、しかし、同じ人口育雛個体でも孵卵機で孵化され全く実親を知らない個体と実親に抱卵されて、ある時期(眼の開いた以降)まで育雛された個体では大きな違いがある。
 つまり、鳥は最初に動いたものを親と認識するというデータから考えて、実親に育てられたことを知っている個体と知らない個体には繁殖、そして栄養及び免疫についてもそれだけの違いがある可能性を否定できない。
 他方、飼育下で繁殖させる個体に最も重要な要件は、その個体が人をみてバタバタ暴れるような個体でないことであろう。そのような”荒鳥”は繁殖するどころではないので、それならば、むしろ、人口保育個体を種親として選んだ方がよいということになる。
 以上を要約すると一般的に繁殖させ易いのは人口飼育下で実親に育てられた、人に馴れた個体が最もよく。次いで、よく馴れた天然からの捕獲個体。その次が一定期間親に育てられた人口保育個体。それに続いて、親を知らない人口孵化、育雛個体となるだろう。
 よって、もし野鳥類で、飼育下の繁殖を狙うならば、人に馴れ易い巣立ちしたばかりの雛を充分馴らして繁殖させるか、または人口保育個体を選ぶ必要があるだろう。

繁殖可能年齢
 有性生物には繁殖適齢期がある。人間は最も成長が遅い生物なので、参考にしずらいが、基本的に繁殖が可能になるのは両性とも14歳が一応のめあすであろう。しかし、あまり弱齢から繁殖させると育仔拒否などの他、母体などに悪影響を及ぼし、その仔にも成長不良などの問題が発生しやすくなることが多いという。
 一方、繁殖が終了する年齢では女45歳程度、男は命のある限りという表現が適切なような気がする。つまり、排卵の方が射精よりも”精度”を必要としているのだろうが、ここでいう年齢は医学による延命技術を受けられる以前の人の寿命とマッチしている。
 ところで、鳥は人の寿命とほぼ近い種もいるが、成長ははるかに早い。というよりも人の成長が遅いのである。
 それでも、種などによって成長が早いものと遅いもの、或いは寿命にも長短があるが、一般的に寿命の短い小鳥の場合は生後1年で繁殖が可能になる。特に、飼い鳥として飼育環境下で累代繁殖させられた期間の長い個体ほど成長が早く、逆に寿命や繁殖上の耐用年数が低下する傾向にある。一方、同種であっても自然に近い種(個体)ほど成長が遅く、寿命や繁殖上の耐用年数も長期化する傾向にあると思ってよい。
 よって、その小鳥のタイプによって繁殖(ペアリング)させる年齢を考慮する必要があり、具体的には改良種は生後1年、後者はその翌年(春秋繁殖タイプは1年以上経った繁殖期)とすればよいだろう。
 これら短命タイプの鳥類は小鳥の他、キジ科などであるが、概ねの寿命が5〜15年と思えばよい。
 ところで、私たちが繁殖を狙う種の長命グループはオウム・大型インコ類で、50年程度の寿命がある。しかし、寿命が長いだけではなく、飼育下での繁殖歴史が浅いので、小鳥で記載した後者のタイプでもある。
 現実的にこのグループでの繁殖開始年齢は4歳からと考えているが、5〜6歳くらいになったものから開始したほうがいいと推測している。また、繁殖終了年齢については♂♀の違いがあるが、概ね20〜30歳ではないだろうか?

繁殖ケージのサイズ
 既述のとおり、私の基本的な繁殖ケージの考え方は「繁殖に必要な面積は巣の廻りの僅かなスペース」であるうと思っているが、繁殖目的のケージ・サイズの基本とはどんなものであろうか?
 しかし、私の見解は狭い方が良いと言う意味ではない。素人の趣味の範囲に限って申し上げれば、広ければその分だけ飼育する場所が制限されてしまい、人(飼育者とそれ以外を含む)はもとより犬・猫・ネズミなどの外敵が彼等の目に入り、結果として彼らに”安全&安心”を与えられない可能性がある。
 そういった意味から、私は繁殖ケージの最低サイズを論じ、翼長の1.5〜3倍を繁殖ケージの基本にしているのである。尾が極端に長い(その種でも♀はそうでないものが多い)を除けば、多くの種で体長(頭の先から尾尻まで)の2倍程度が翼長であるから、直ぐに分かる体長を基準にすればよい。
 具体的には、体長40cmの種ならば、その4倍の160cmを基本にして、横・縦・高さを調整すればよい。例えば、このサイズの鳥種ならば間口160cm、奥行160cm、高さ160cmを基本にしてそれぞれの長さを変えるのである。
 そして、場合によってはある面を少し短くすることも可能であるが、その場合は最低でも翼長の1.5倍にする必要がある。
 但し、巣箱を必要とするオウムなどの種については、それを設置するための高さが必用になるため、翼長の2倍以下にすると設置できなくなってしまったり、余裕がなくなってしまう。
 ちなみに、私のシロビタイムジオウム(体長約30cm)の繁殖ケージは、間口180cm、奥行90cm、高さ120cmであるが、高さについては翼長の2.5倍=150cmのほうがよかったような気がしないでもない。そういった意味で、間口180cm、奥行120cm、高さ150cmのケージならより理想的であったかもしれない。
 尚、以上は樹上繁殖をする飛翔種であり、且つ♂♀各1羽ずつが繁殖単位である種の概論であるので、その他の種は対象としていない。
 地上繁殖種であるキジ科など地上繁殖(営巣)種ではジャンプをすることを考慮した上で、より底面積を重視する必要があり、♂♀ペアーでの繁殖ケージでは底面部分の1辺を体長の4倍以上にすればいいだろう。

巣の検討
 
小鳥の巣を選ぶ一つのめあすとして、鳥のサイズ(全長)で判断することができる。即ち、12cm未満の小型種が”壷巣”、おおよそ15cm以上の種が皿巣となるものが多い。
 また、それら市販の巣を箱巣に入れた方が効率のいい種やそれが必要な種もある。しかし、一般的な改良種用の巣は市販されているので、ここで論じる必要はないだろう。
 ここでは比較的繁殖データの少ない種若しくは、そのデータのないものの繁殖チャレンジを目的としている。
 それを発見する材料となるのが、その種の産地の様子である。例えば、オウム科は一般的に大きな木の洞を巣とすることが知られているが、種によっては巨木のない平原に棲み、そこで繁殖する種もいる。そういった種は切り株や蟻の巣などのほか土の中に巣を作るものもある。
 また、猛禽類など食物連鎖の頂点に立つものが、一番高い場所で巣引きをし、その他の弱い種は目立たない雑木の中や木の洞を巣とすることが多い。
 尚、巣のサイズについてはその種の選ぶ巣の材料や育仔する個体数にもよるが、基本的に親個体の全長と同じか2倍以内のケースがほとんどであろう。
 また、食物連鎖上、捕食される立場の小型種ほど沢山の雛を一時に育て、捕食する側及び強い種ぼと少ない雛となるのが自然であり、親個体と巣のサイズもそれによって決まることが少なくない。

鳥類繁殖の基本概念 - オウム繁殖の基本指針 オウム雛の成長写真 オウムの繁殖データ

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