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CITES登録上の諸問題
2003/10/10更新

私的CITES考−U 
〜環境省の法運用は理論なき絶滅促進策か?

はじめに〜 
 常に人は不完全である。そして、法も同じであるが、それにしても”私的CITES考−T”に記述したとおり、政府(環境省)の横暴はひどすぎる。
 ところが、法を理解し対策を講じた者にとっては”既得権”ともなりえるのだ。そういった意味で、このページをご覧頂いた方が”既得権者”として、もっと大事な種の保存を実践していただければ幸いである。
 

今、U類種だからこそ心配 
 現在U類種の繁殖に一生懸命になってる方に忠告したい。繁殖以前に重要なものがあることを−−−繁殖に情熱を傾けることは種の保存につながる有意義なことであろう。しかし、そのことだけに労力を費やし、結果的にこれで「カネが儲かる」と思った方、カネはともかく繁殖に成功して喜んだ方。
 意識の違いはともかく、どちらも結果的には50歩100歩というしかありません。もっと重要な問題が私のCITESページの云いたいことなんです。
 今はU類種でも、将来そのU類種がT類種になったら繁殖で得た個体を大ピラに譲ることができない。それがU類種の種親を普通に入手した結果です。そして、登録済みT類種以外の希少生物全てに消えない将来の危惧でもあります。

 私たちが普通にショップ買えるU類種に食品などのように何かの表示がありますか?ましてや「密輸入」とか「正規輸入」の文字を見たことがありますか?
 衣類や食品には生産国や原料(添加物も)の表示がある。しかし、ワシントン条約(CITES)T類種以外の動物には何らかの表示や添付書類もなく自由に取引できる。ところが、環境省はそのU類種がT類種になったら、私たち消費者(末端の消費者)に手の届かない通関関連の証明書を要求するだけではなく、納品書を揃え全ての取引=「”経緯”を明らかにせよ」という、業者には何の通達や行政指導もなしに。
 ある日、U類種のリクガメ(一般的に捕獲個体が流通している種)を入手しようとした際、ショップを通じてT類種となった時に必要な通関書類を添付するように要求したら、その輸入業者(レップ・ジャパンという名の知れた業者)は「義務がないので−−−」。聴いたら「環境省などからの通達や要請はない」という。
 そこで、登録申請先の(財)自然環境研究センター/CITES管理事業部や環境省/自然環境局/野生生物課にその真偽を確認して驚いた。
 登録票の発行に必要で、しかも消費者に揃えられない、それらの書類を消費者に渡すように要請もしてなければ、行政指導もしていない。
 これくらいのことは、運用を強化する政府がやらなければならない最低の仕事であろう。
 そして、私の指摘を受けて、初めて自分たちのミスに気付いた両政府機関、それでも直ぐに対応できない怠け体質−−−これでも民主主義国家の日本政府かとガッカリさせられた。それが環境省の実態です。直ぐにできることさえしないクセに声の弱い国民に負担を強要するお上のやり方そのものとしかいいようがない。
 その一方で、動かない政府に業を煮やした東京都などが条例化した業務用ディーゼル車の排ガス対策問題では、新任の小池大臣に「国民生活に支障のないように・・・」と言わせる−−−公害訴訟で負けたクセに。
 あえて、私はその環境省の担当者を”種の保存法”ではなく、「種の絶滅法」の担当者さんといいたい。”知った”私たちはそんなU類に手を出してはなりません。飼育する側もされる側も不幸な結果になる恐れがある。だから、私が繁殖を狙っている種はT類種なのです。
 そんな無責任な政府が運用を決めても法なんですかね?これが小泉総理の言う「国民にも負担を」の行革なんですかね?やるべきことをサボって、末端の国民(流通という意味では消費者)に対応のできない負担を強いるのが、政府のやり方なんですかね?
 だからこそ、登録済みの1類種には価値がある。これが既得権といえば確かにそうなんです。いくら繁殖に成功しても”裏モノ”になったら−−−まさに、”飼っている鳥が無価値になる日”どころか、譲った方も譲られた方も1年以下の懲役か100万円以下の罰金。これだけの制約を受けるにも関わらず、政府の対応は前記の通り。

種の保存法を切る〜
 もっと、深く種の保存法を検討してみると、一般的にペット化された動物か若しくは登録済みT類種以外の殆どが危険だということに行き着く。
 このページをご覧になった方は、登録に必要な書類が揃わないU類種を購入しない知識が備わったであろうが、それはあくまでこれからのことに過ぎない。既に、購入してしまったものにそれらの書類を揃えるのは難しい。
 現在国内で繁殖しているシロビタイムジオウムは、法的な意味では3ペアしかいません。これは、種の保存法があるからでして−−−。
 つまり、登録票のない親の子は登録できないからなんです。未登録個体ならまだいなくもないですが、譲り渡し禁止ですので、それを入手して繁殖しても意味がない。
 そういった意味で、種の保存法は、国内にいる外国産CITES−T類種にとっては”種の絶滅法”と云える。
 多分、CITES−T類種の国内取引を規制しているのは日本だけだと思われ、アメリカやEUでは国際間取引ができなくなるだけで、自国内では自由に取り引きされ、繁殖も活発に行われているらしい。
 法規制する日本の場合は、同時に外郭団体に運営させ、その団体の必要性としてしまう。この辺が官僚天国ニッポンならではのやり方で、規制緩和なんてのは掛け声だけ。
 デモクラシーの発達した国で、それまで自由に取引されていた個体を国内取引禁止にすることなんてできるワケがない。ところが、日本ではそれでいいと思っちゃう国民が多いのか、無関心なのか、規制慣れしてるのかは分からないが、結果として、政府が言う「飼っているだけなら問題ない」のごまかしの文句で、消費物化→繁殖が進まない→いつか国内から消える。
 一方で国民には政府(官僚)に対する反発がある反面、規制によって”既得権”者もできる。規制によってもたらさせる高付加価値→非合法行為の増加→規制強化−−−のイタチゴッコ。最終的に登録が許可化して、ますます一般からは遠くなる。
 どちらにしても、日本ではCITES−T類になったら、その種はそれで終わり−−−所詮、私たちの種親は3ペア、何羽繁殖しようが遅かれ早かれ近親交配の弊害が待っていて、最後はニッポンニア・ニッポンの運命。やはり、種の保存法は”種の絶滅法”というしかない。
 

 備 考
環境省/自然環境局/野生生物課 TEL 03-5521-8282
(財)自然環境研究センター/CITES管理事業部 TEL 03-5824-0953

 

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