3月01日(その4)初出走(サントトーマス→サンアントニオ川)

*** '98年3月1日 晴れ ***
  のつづき その4「初出走(サントトーマス→サンアントニオ川)」

R1からの入り口が解りにくかった。
右側へ入っていくのだが看板の裏側からその道は伸びていたが
なにしろこの国のバックロードを走るのは初めて。

はじめ見たときは民家の裏庭への道だろうと思い、通りすぎてしまう。
トリップメーターを見て行きすぎに気付きUターンをする。
永原さんと主宰が車で追ってきた。
永原さんに確認すると、やはりさきほどの民家の裏側への道が
バックロードの入り口とのこと。

バックロードの入り口でトリップメーターを0にリセットし、
再スタートする。

国道以外は全てダートというのがバハを走った第一印象だった。
広い草原のなかの道を走る。
初めてのツーリングが海外で、しかも初めて乗るビックシングル。
何もかもが感動である。


バックロードにはあまり道標がない。
永原さんから渡されたAAAの地図だけが頼りである。
この地図には各分岐点までの距離が細かに記載されている。

最初の分岐点で水を一口飲み、写真を撮った。
初日で乗りなれないバイクなのでゆっくり行こうかと思ったのだ。


しばらく走ると、見慣れないものを見かけた。
それは道の真中に作られていた。
50cm程の幅の溝が道を横切り、その溝の上には渡り廊下みたいなものが掛けてある。
その両脇には木の柱が立っており、柱からは有刺鉄線が出ていた。
渡り廊下の上には有刺鉄線がない。

後で永原さんに聞いたところこれは“グリッド”といって
牛が区域の外に出て行かないようにするためのものらしい。
いや、入って来ないためのものだったかな〜?!
日本にもあるのかななどと考えながら走る。

バハカリフォルニアの北西部にあたるこのへんは
降雨量も多いのか、サボテンはほとんどなく緑も多い。
道は雨水に浸蝕され流水溝となりあちこちに目立つ。
* 主宰の注釈
  北米大陸南西部(California周辺)の雨期は 11月〜12月に
  かけてです。私達が行った 3月上旬は乾季にあたるそうで
  すが,El Ninoの影響で California(米国を含む)周辺は豪雨
  がありました。豪雨による洪水のニュースは,日本でも流れ
  ていたので知っている人も多いはず。
  行く前に洪水のニュースを見ていたので,ツーリングが
  できるか心配していたけど,ツーリング中に雨が降らな
  かったのは,運が良かったのかもしれない。
  雨が降ったのは 5日の夜から 6日の朝まで。

クレバス状になっていて30cm程度の幅の溝ならばなんなく飛び超えられる。
しばらくXR600を走らせ特性を探る。

小さな村では学校帰りの子供達が通学トラック
(バスではなくトラックの荷台にのっている)からこちらを見て
ヒューヒューと叫ぶ。
お調子者の僕は左手の親指をビッと立ててその声援に答える。
一際声援が大きくなるのを感じながらトラックをパスした。

適度に川渡りもあって楽しい。
まるで相模川のほとりを走っているようである。

しかし、プエルト・サン・イシドロという集落を過ぎて
サンアントニオ川を超えるときは違った。