私が、市原 ウィズ
エブリワンに出逢ったのは、8年前の夏でした。当時私は千葉市にある更生援護施設に入所していました。友人からキャンプがあると聞き、どんな活動をしてるのか興味を持ち、たくさんの人と出逢えるチャンスだとも思い参加しました。
そのころ私は身の回りのことが一人で出来なくて、初めて会う人たちにうまく頼めるかという心配もありましたが、皆さんとても親切でそんな心配もすぐに消えてしまいました。そして入会することになった訳ですが、言語障碍(しょうがい)のある私は相手にわかるようにゆっくりと話しをして友達を増やす努力をしました。しかし、理解してもらえないこともありました。
私は生まれつきの脳性麻痺という障碍があり、小学校から養護学校、卒業後は更生施設と、ずっと障碍者の中で過ごして来ました。そのため、友達は私と同じように障碍を持った人たちばかりでした。外に出ると健常者の目が気になり、健常者への偏見もありました。私と同じ境遇の人たちと接している方が、気を使わないで良い、その方が楽しいと言う理由から、自分から健常者の中に入って行こうとはしませんでした。
そんな気持ちを持ちながら、20歳を過ぎたある日、更生施設の職員と雑談をしていたときに、そんな自分の気持ちを話しました。すると同感してもらえるとばかり思っていたのですが「お前は障碍者である前に一人の人間なんだよ。ただ身体が不自由なだけで、みんなと一緒なんだよ」と言われました。はじめは思いも寄らぬ言葉に戸惑いましたが、あとで自分なりに考えてみると、その言葉の意味がどういうものかわかった気がします。
障碍者の中には、「自分は健常者とは違う」とか、「自分は身体が不自由だから、やってもらって当然」など、自分の都合の良いように考えている人も少なくないと思います。また、健常者のなかには「障碍者に逢ったら何でもしてあげないと」と考える人もいると思います。しかし、私はその施設職員の言葉を思い出すと、やっぱり障碍者と健常者の関係は、お互いがお互いをサポートしあうことで成り立って行くものだと思います。出来ることは自分でやり、出来ないところをカバーしてもらう。そして自分の出来ることで相手をサポートすることで信頼が深まり、良い関係が続くのではないかと思います。
これからもエブリワンの活動に参加し、たくさんの人と出逢い、友達の輪を広げていきたいと思います。 |