前年度に市に提出した要望書に対する回答集です。

市原市内公共交通機関等の改善に関する要望書について〔回答〕

平成10年3月26日


早春の候、ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。
日ごろ、市行政にご協力いただきまして、誠にありがとうございます。
さて、平成9年12月17日付けで要望のありましたことについて、次のとおりお答えいたします。

1. JR及び千葉急行千原台駅について(全駅共通)
2. 小湊鉄道について(全駅共通)
3. 路線バスについて(各社全路線共通)
4. タクシーについて(各社共通)

 〔回答〕
 千葉県では、高齢者や障害をお持ちの方などが安心して生活し、自らの意思で自由に行動し、社会参加が出来る社会を構築する子とを目的に、平成8年3月に「千葉県福祉の街づくり条例」を施行いたしました。
 この条例では、千葉県の責務、市町村や事業者及び県民の責務が定められており、市としては、市原市5カ年計画「ステップup21プラン」により障害をお持ちの方の自立と社会参加を促進するため、JR駅への昇降機の設置などの環境の整備に努めることを掲げて目的達成のために取り組んでいるところでございます。
 要望事項のうち鉄道事業者やバス事業者が取り組むべき事項につきましては、各事業者への働きかけを行い、福祉の街づくりに取り組んで参ります。


5. 移送等について(各社共通)
    a. 通常のワゴンの大きさに
    b. オートマチック、FM・AMラジオ、カセットデッキ、エアコン、雪道にも走行可能にチェーンを装着した車両に

 〔回答〕
 利用しやすい福祉カーについては買い替えのおりに、検討します。


    60.福祉カーは休日においても貸し出しできるようにして欲しい。
    a. 市原市社会福祉協議会事務所が休日に都合により開ける事が出来ない場合、休日においては車両を市原市菊間福祉センターや、1998年度運営予定の市原市姉崎地区福祉センター等へ移し、そこの事務所にて貸し出し業務を。

 〔回答〕
 福祉カーの貸出につきましては、市原市福祉カー貸付事業実施要綱により事業を行っております。
 貸付申請は7日前までとなっており、貸付の期間は土曜・日曜を含めまして4日間ございますのでご利用ください。
 また、休日の貸出業務につきましては、今後、検討してまいります。


    61.市原市福祉会館車椅子対応バスに関して
    a. 市障碍者加盟団体に限らず、他障碍者団体にも貸し出しを
    b. 平日・休日運行(貸出)が出来るように。また宿泊行事にも対応を
    c. 障碍者等の社会参加向上を図るために、専用の福祉バスを購入して欲しい
    d. 各団体年2回の貸出に限らず、運行予定が無い日は貸出して欲しい

 〔回答〕
 車椅子が対応できるバスにつきましては、福祉会館に1台ございますが、これは、ディサービスの送迎用バスであるため、平日の貸出は出来ません。
 また、他障害者団体への貸出、宿泊行事への対応、或いは、貸出の回数及び蘊奥予定の無い日の車椅子対応バスの貸出につきましては、今後、十分検討してまいります。
 なお、社会参加のための専用福祉バスの購入につきましては現段階では困難であります。


    62.送迎ボランティア等団体を設置して欲しい。
    a. 平日・休日・夜間も対応を

 〔回答〕
 送迎ボランティア等団体の設置につきましては、ボランティアの育成等を行っております社会福祉協議会と協議してまいります。


    63.自動車燃料費助成事業を市においても設置して欲しい。また指定車のみならず、障碍者当事者がボランティア等の車に乗車する場合においても、制度利用を可能にして欲しい。

 〔回答〕
 自動車燃料費助成制度につきましては、利用者の利便性等を考慮し、検討してまいります。


    64.高速道路割引券・駐車禁止除外ステッカー制度を指定車のみならず、障碍者当事者が、ボランティアなどの車へ乗車する場合においても、制度利用を可能にして欲しい。
    87.障碍者高速割引券を廃止し、障碍者手帳提示で割引制度が使えるようにして欲しい。

 〔回答〕
  有料道路通行料金の割引券につきましては、日本道路公団・首都高速道路公団・阪神高速道路公団・本州四国連絡橋公団等の協力で発行しております。
  駐車禁止除外ステッカー制度につきましては、公安委員会の事務であり、その対象者は身体障碍者手帳3級以上の身体に障碍をお持ちの方で、かつ歩行が困難なもの及びその者と同居している介護者となっております。
  ボランティア等の車を含めることは、その数が膨大な数になるため困難とのことです。


6. 歩道等について
    65.歩道の左右の傾斜及び凹凸を解消して欲しい。
    66.歩道の前後の傾斜を出来る限り12分の1にして欲しい。
    68.歩道と車道の段差を1センチ以内にして欲しい。

 〔回答〕
 歩道の切り下げ工事につきましては、年次計画で行っております。歩行者はもとより車椅子、自転車等が安全に通行できる構造での段差の解消、滑らかな摺付けを行っているところです。今後も改善に努めてまいります。


    67.歩道の幅2メートル以上にして欲しい。また、歩道の半分(1メートル)の真中に点字ブロックを設置して欲しい(黄色に統一。老朽化し利用しにくい個所については改修を)

 〔回答〕
 市原市5カ年計画「ステップup21プラン」における歩道整備は、平成5年以降の道路構造規格を満たす2メートルの幅員で計画しております。
 また、平成5年以前の道路構造規格では、1.5メートルであったために規格未満の歩道があり、これら既存歩道の拡幅については、用地取得が必要となりますので、当分の間は、現況利用となります。
 点字ブロックは、利用者の安全を考えて中央を目安に設置しており、弱視者のために黄色で施工しております。
 また、補修についても逐次行っているところであります。


    69.排水溝の溝においては車椅子の前輪がはまらない隙間にして欲しい。

 〔回答〕
 U字溝蓋は取っ手の穴の小さい製品に現在、取り換えている所です。
 また、グレーチング蓋は市街地から優先に網目の細かいものに今後、取り替えていく予定です。


    70.歩道に車止めポール等がある場所は、1メートル以上の幅を確保して欲しい。

 〔回答〕
 車両の違法駐車や巻き込み防止を考慮し、車椅子、自転車等の通行に支障とならない間隔に設置しております。


7. 公益的施設等
    73.ハートビル法、千葉県福祉の街づくり条例を踏襲してもらうよう要請をお願いいたします。また市原市においても独自の「福祉の街づくり」条例を制定して欲しい。

 〔回答〕
 公益的施設等を整備管理する者に対し、広報誌を通じて千葉県条例のあらましや福祉の街づくりの必要性等をPRするとともに、関係機関にその概要を周知しているところであります。
 今後も市民や事業者の理解を深めるためハートビル法、千葉県福祉の街づくり条例に規定された市町村の責務等を積極的に果たしていくものとし、市原市独自の「福祉のまちづくり」条例の制定が必要であるか否かは、今後研究してまいりたいと思います。


8. 障碍者の自立生活へ向けて
    74.市原市の今後の障碍者福祉計画(生活、経済、社会参加全般)において、障碍者当事者の意見聴取だけでなく、市加盟8団体に限らず他障碍者関係団体・個人も含め、企画の段階および計画を推進する中で障碍者を参画させて欲しい。

 〔回答〕
 障害者福祉計画の策定にあたっては、市原市保健福祉懇話会を設置して、本市の保健福祉施策の計画的かつ総合的な推進を図るため広く意見を求めてまいります。
 この懇話会の委員の定数には制限がありますが、障害をお持ちの方、障害をお持ちの方の家族及び障害者福祉施設などの関係機関からの代表も含まれますので、それらの方々の意見も十分踏まえながら計画を策定してまいります。


    75.「市原市障碍者基本計画策定班」もしくは、それに関係のある全ての市社会福祉事業(市・法人等が運営するもの)の中へ、エブリワン会員(重度障碍者等)並びにしない在住の在宅重度障碍者(全面介助の必要な者・市内及び近隣市町村の身体障碍者療養施設等の入所者も含む)数人を参画させて欲しい。それと共に参画された重度障碍者の身分においては、在宅等勤務の雇用を確保して欲しい。(全面介助の必要な者においては、出張等の移送及び出張先での介助について、家族・保護者以外の介助者・ボランティア等の設置を)

 〔回答〕
 社会福祉事業の運営への参画は、各事業の実施者の判断によるものであると考えます。障害者基本計画策定班への参画については、前述にしたように障害をお持ちの方の意見などは、市原市保健福祉懇話会を通して充分反映してまいる考えです。


9. 障碍者福祉政策についてご意見等をお聞かせください。
    77.障碍者福祉計画を推進していく中で、市が一番問題・課題としているところは何でしょうか。

 〔回答〕
 国際障害者年、国連・障害者10年を契機に障害者対策は大きな進展を見たところでありますが、これまでの障害者福祉対策は、行政主導で展開してきたことは否めない事実であると考えております。
 近年の障害者対策は、教育、医療、福祉、雇用、移動など各分野にわたる要望、かつ障害の種類や程度によっても要望が異なり、障害者福祉の需要も広範、多様化しており、これらに対して適切な対処を行うには、これまでの様な行政主導型では限界があります。
 今後は、障害をお持ちの方や市民または関係機関などからの意見等の聴取と民間活力の積極的な導入を考慮しながら進める必要があると考えております。


    78.障碍者福祉計画を推進していく中で、障碍者市民に対し今後何を望んでいますか。

 〔回答〕
 障害のある人も、高齢者も社会の構成員として地域の中で自立した暮らしを営むための自助努力と障害者のための行事という枠を意識しないで、スポーツ、文化活動など積極的な社会参加に勤める必要があるのではと考えます。


    79.障碍者福祉計画を推進していく中で、健常者市民に対し今後何を望んでいますか。

 〔回答〕
 障害をお持ちの方や高齢者など社会的弱者に対しての理解を深め、ハンディキャップを補う介助を容易に出来るような意識の向上を期待します。


    80.エブリワン活動の今後の活動の参考にさせていただくために、去る11月20日に各障碍者へ郵送された「市原市の障碍者福祉に関する基本計画策定のための基礎調査」のお願いについて、調査結果をまとめ報告書として一部配布して欲しい。
 また、アンケートに協力していただいた障碍者市民全員においても報告書を配布して欲しい。

 〔回答〕
 調査結果報告書の配布は、協力していただいた団体に配布いたしますが、回収方法が無記名であったこと、完成品の印刷部数に制約があることから、アンケートに協力いただいた障害者市民全員への配布は考えておりません。
 しかし、支所、公民館、図書館などに配布し、誰でも容易に見られるような対応をいたします。


    81.「市原市障碍者福祉に関する基本計画策定のための基礎調査」のお願いについて報告書に基づき、市の今後の福祉施策の方向性について具体的に教えて欲しい。

 〔回答〕
 現在、市原市の障害者福祉に関すつき本計画策定のための基礎調査の結果を集計中ですので、調査結果が出たあと、問題点等を整理しながら課題および具体的方策の設定を行い、施策体系の方向性を考えてまいります。


    82.エブリワンに対し今後の活動について何を望んでいますか。

 〔回答〕
 エブリワンの活動について、ハンディキャップ体験などを実施する中で、障害をお持ちの方などの住みいよいまちづくりをしていくための方策など、多くの提言と行政協力をいただいているところです。
 しかし、障害者対策につきましては、行政のみで対応するには限界があります。障害をお持ちの方自身や障害者団体などにおかれましても、自助努力や民間活力など多角的な視野をもたれ、今後とも行政へのご協力をお願いいたします。


10. その他
    84.上記に関する全ての項目事項について、券、国の関係機関に参考資料として提出し、今後の障碍者福祉計画において反映していただくよう市が要望して欲しい。

 〔回答〕
 障害者福祉計画は、国、県の障害者基本計画である「障害者対策に関する新長期計画―全員参加の社会づくりをめざしてー」などとの整合を図りながら、本市の障害者対策の実情を踏まえ策定してまいります。
 貴団体の要望は本市の施策にかかわるものであり、国などへ要望することは困難であると考えます。