1994.8.20 新千葉新聞
身障者自立目指し 「市原ウィズエブリワン」が健常者と連携
君津市清和ロマンの森 サマーキャンプ交流

 障害を持つ人と健常とされる人の隔たりのない交流社会を願いに、身障者の自立を目指して活動している「市原ウィズエブリワン」(倉田知典会長)がこのほど、君津市清和ロマンの森で「サマーキャンプ」を開いた。今回の参加者は計28人。
 会の学生部門が中心に企画した野外活動では、車椅子利用者や手の不自由な会員も、それぞれテント張りやカレーライスの材料の皮むき、火もしなど出来ることを積極的に協力。お仕着せでない、互いに不足している所を補い合う自然な交流に、助け合い連帯と絆を深める会活動方針の浸透が伺われた。
 アトラクティンググループ・エブリワンは平成3年発足。学校卒業後に自宅生活の中で友達もなく地域との係わりを模索していた倉田会長が、障害者問題は健常者に代弁してもらうのではなく、自ら語り先頭に立っていくべきだと、健常者との連携を求めて呼びかけ、結成した。現在木更津市地域も含めた広い範囲から大学生など若者を中心に92人の会員が参加。事務局も含む学生、福祉イベントの4部門で毎月定例会を開きながら、キャンプを始め、福祉マップ作りや旅行、スポーツ観戦や各催し参加など、積極的に街中に出かけて活動を実践してきている。会員も募っている。

1994.8.8 朝日新聞千葉版にも掲載


1994.4.15 朝日新聞 千葉版
障害者に優しい町へ点検 地元市民団体 段差など指摘

 「障害者を含めて、だれにもやさしく住み良い町を造ろう」と木更津市の車椅子友の会など3つの市民福祉団体で構成する「住みやすい町づくり実行委員会」(高橋光興委員長)のメンバーらが14日,JR木更津駅西口周辺で車椅子での町並みウォッチングを行った。同市内で大規模に実施されたのは初めて。
 ウォッチングは同日午後1時から2時間にわたって行われた。車椅子生活の高橋委員長をはじめ、19台の車椅子に介護者ら35人が参加。通りがかりの市民5人にも試乗してもらった。身障者グループの市原ウィズエブリワンの倉田知典会長も特別参加した。
 この日は、木更津そごうの周辺1.3キロを車椅子に乗ったり、押したりして動き回り、町を点検した。
 その結果、1.駅西口の階段は段差が20センチと高く車椅子では上がれない 2.駅前の電話ボックスは入れない 3.公衆トイレは狭く、車椅子では無理 4.木更津そごう裏に通じる市道の傾斜がきつすぎて危険 5.駅の自動券売機には手が届かない 6.大規模店では、陳列ケースなどが邪魔で車椅子での買い物が出来ない 7.不法に路上駐車している自転車や自動車が車椅子の通行を妨げている―など、車椅子にやさしくない点が指摘された。
 健常者で車椅子を体験試乗した主婦佐藤照子さんは「道路や大型店などの出入口に段差があり、1人での車椅子はこわいと思う」と体験を話した。

1994.4.16 新千葉新聞にも掲載


1993.6.7 朝日新聞 千葉版
障害者が料理作り

 障害者に住み良い街づくりの運動している市原市のグループ「ウィズエブリワン」(倉田知典会長)が6日、同市国分寺公民館で、「料理教室」を開き、焼きそばやお好み焼きを作った。
グループは公共施設が弱者に優しく作られているかを点検するなどの活動をしている。料理教室は障害者が自立する手助けに、と大学生の伊藤新之助さん(19)らが企画した。
 手の不自由な人たちが一生懸命にキャベツをむいたり、車椅子の人が足でガスのコンロの火を調節したりして調理を楽しんだ。グループでは「自治体など行政が同様の料理教室を開いて欲しい」などと陳情もしている。


1993.4.1 市原新聞
身障者福祉で市長に要望書 ウィズ・エブリワン

 身体障害者福祉の充実を目指すイチハラ・ウィズ・エブリワン(倉田知典会長)は、先月、三田村恵子市議を通じ、小出市長に要望書を出した。
 「在宅で生活したいという重度障害者に対し、親亡き後でも、在宅生活・社会参加が出来る環境を作ってほしい」と述べ、市長の回答を求めた。
 また、障害者施設や企業で働くことができないが、在宅で仕事が出来る重度障害者に、仕事が出来る環境を、非常勤ホームヘルパーに男性ヘルパーも入れてほしい、介助者なしで移動困難な重度障害者に対し、タクシーを割引してほしい、市職員として積極採用を、など要望している。三田村議員も同福祉に関して3月市議会で質問した。


1993.3.27 朝日新聞 千葉版
弱者のための改善指摘 市原市役所を市民点検

 障害者のために住み良い街を作ろうと運動している市原市のグループ「ウィズエブリワン」(倉田知典会長)のメンバーが26日、市原市役所で庁舎を点検した。視覚障害者を誘導する点字ブロックが無い、エレベーターが車椅子で利用出来ない、など弱者に優しくない点が見つかった。
「いちはら市民ネットワーク」などの協力を得たうえ、福祉部職員の案内で見て回り、チェックリストに従って点検した。
 この結果、障害者用のトイレ、車椅子用のスロープなどは一応、設置されていたが、庁舎から議会棟への連絡通路に段差があったり、2階の議会傍聴席へは手すり無しの狭い階段でないと行けない、など応急処置を必要とする点が指摘された。


1992.4.29 朝日新聞 千葉版
市内のJR3駅にエレベーターの設置を 市原のグループ要望

 障害者のために住み良い街を作ろうと運動している市原市のグループ「ウィズエブリワン」(倉田知典会長)が28日、市内のJR3駅へのエレベーター設置などの要望書を小出善三郎市長に渡した。
 グループは障害者が実際に駅施設などを車椅子などで回り、不便な点などを点検している。要望は 1.自分で操作できるエレベーターの設置 2.車椅子で利用できるトイレ 3.改札口の拡幅など。倉田会長たちは「障害者が利用できる施設はお年寄りなどの弱者にも優しいはず」と説明した。


1992.3.9 朝日新聞 千葉版
車椅子で改札口をとおれない
市原のグループ 八幡宿駅で鉄道施設点検

 障害者のために住み良い街を作ろうと運動している市原市のグループ「ウィズエブリワン」(倉田知典会長)のメンバーが8日、JR八幡宿駅で鉄道施設などを点検した。車椅子で改札口を通れない、など弱者に優しくない数多くの点が見つかった。
 今回の点検には市肢体不自由児父母の会(高沢五郎会長)や市視覚障害者福祉会なども参加。障害別に4班に分かれ、チェックリストに従い点検した。
 八幡宿駅は3年計画で橋上駅化が計画されているが、点検の結果、1.陸橋や改札口周辺に点字ブロックが無い 2.新設したトイレは段差があって車椅子が通れない、などが分かった。乗車券の自動券売機に点字説明が無いこともチェックした。倉田会長は「駅舎の改築の際、障害者団体の意見を取り入れ、障害者の力だけで利用できる施設にしてもらいたい」と話した。 

 


1991.11.27 朝日新聞千葉版
『うかつ、即刻撤去』市民団体指摘で市原市

 危険!車止めポール 姉ヶ崎駅東口広場
 これは危ない―市原市のJR姉ヶ崎駅東口広場の歩道にある盲人用点字ブロックのほぼ真ん中に、車止め鉄製ポールが打ち込まれていた。市内の障害者のための住み良い街をつくる運動をしているグループ「ウィズエブリワン」(倉田知典会長)がこのほど行なった施設点検で見つけた。市原市が姉崎駅前区画整理事業の一環として整備した際に設置したもので、指摘を受けた同市都市整備部では「即刻、撤去する」としている。
 駅前広場は6千3百平方メートルを対象に整備が行なわれ、89年に橋上駅が完成している。東口の駅前広場は、車のロータリー部分を囲むようにタイル舗装の立派な歩道が整備され、駅に向かう歩道に盲人用点字誘導ブロックが設置されている。
 同市都市整備部によると、車止めポールは、歩道をまたいである駐車場に出入する車が、歩道部分に違法駐車をするのを防止するため、歩道完成後に設置した。
 駅へ向かう盲人用点字誘導ブロックは、車止めのほかにも、放置自転車整理地区に指定されていないためか ブロックの上に数多くの自転車が止めてあるなど、目の不自由な人の歩行には危険な状態になっていることが、今回の点検で明らかになった。
 加瀬睦男同市都市整備部長の話
違法な車を歩道から排除するために車止めを設置したが、うかつだった。即刻撤去します。


1991.11.25 朝日新聞 千葉版
障害者にとって街は 
駅では車椅子綱渡り

 障害者のために住み良い街を作ろうと運動している市原市のグループ「ウィズエブリワン」(倉田知典会長)が24日、JR姉ヶ崎駅から五井駅まで車椅子などで電車に試乗した。障害者の目から鉄道施設を点検した結果は―「数々の点で弱者には優しくない」。グループは、これを福祉マップ作りに反映させる。
ウィズエブリワンは今年6月に発足し、障害者と健常者の会員18人で活動している。
 この日、グループは姉ヶ崎駅前に集まり、健常者が車椅子をかついで橋上駅に上がり、普通電車で五井駅まで移動した。
 姉ヶ崎、五井の両駅とも、エレベーターなどが無く、階段の上り下りには車椅子1台に対して4人の介添者が必要だった。
 ホームでの乗降時間は約30秒ほどしかない。電車とホームの間には段差やすき間があるため、車椅子での乗車は綱渡りだった。
 また駅周辺には車椅子用の公衆電話やインターホンが無く、駅前へ到着しても駅員に対して介添え依頼などを連絡出来なかった。駅に入る道路にも段差が多く、車椅子の通行の障害になっている。
車椅子生活をしている倉田知典会長は「障害者は交通機関の利用が不便なために家に閉じこもりがちになるが、駅やホームにスロープ、エレベータなどが設置されていれば気軽に外出できる」と話している。
『トイレ足りぬデパート』
 一方、千葉市では、「障害者の生活と権利を守る県連絡協議会」(障千連・野口宗雄代表)のメンバーなど約20人が、市内のデパートのトイレなどを点検した。
メンバーは、2つのグループに分かれ、街の歩きやすさもチェックしながらデパートへ。
 千葉駅前の千葉そごうの障害者用トイレは、4階おもちゃ売り場の真ん中にあった。中は広く、車椅子にも便利に作られているが、エレベーターからトイレまでの表示は無かった。
車椅子で回った三上ヨシ子さん(55)は、「おもちゃ売り場は子供たちがはしゃぎまわっていて危なくて、行くまでがたいへん」。
 隣の千葉三越。障害者用トイレは8階に1つだけという。
 障千連の天海政克事務局長(41)は、「トイレなど障害者対策は、建物ができてからでは遅い。計画段階で少しでも障害者のことを考えて欲しい」という。今後各デパートに改善を求める。