1999.12.5 京葉新聞
市原ウィズエブリワン 「福祉マップ」発刊
ファミレス、コンビニなど調査

 市原市で障害者が住みよいまちづくりと、自分たちの自立を目指している市民グループ「市原ウィズエブリワン」(倉田知典会長、会員107人)がこのほど、同市内のレストランや小売店などを障害者の視点で捕えた手作りの福祉マップ「エブリワンマップ」(A4判6ページ)を発刊、希望者に無料配布している。
 同会は7年前マップ作製に着手、第1号を4年前同市内の公民館や市役所支所、JR・小湊鉄道の全駅を掲載した障害者が利用しやすい独自調査のマップを発刊した。今回はその第2号で、ファミリーレストランやスーパーマーケット、コンビニエンスストアなど、日常出入する機会の多い27店を対象に4年かけて調査してきた。
 表紙は生まれつき重度の運動障害で両手が使えない倉田会長が、足でパソコンを操作してデザインしたコンピューター・グラフィックスによる犬の絵。内容は八幡、五井、姉崎、市役所通り周辺の各店舗の場所を地図で示し、それぞれ出入口のドアの様子、段差の有無、洋式・障害者用トイレの設置状況まで詳しくガイド、さらに点字メニューや車イス対応エレベーターなど店独自の取り組みも取り上げている。
 倉田会長は「どの店も快く調査に応じてくれた。施設面では不満も多いが、店員のちょっとした配慮ですくわれるケースがある。施設も大切だが、使用する側の意識も一番大切なんだと痛感した」とし、今後はハード、ソフト両面から障害者に配慮がある店などを探し、独自の推薦ステッカー掲示を呼びかけていきたいという。
1999.9.28 読売新聞京葉版にも同記事掲載


1999.10.23 千葉日報
車イスで歩道チェック 危険な段差いっぱい
市原ウィズエブリワン 関係機関に改善を要望

 自分達でハンディキャップ体験を行い、行政などに「人に優しいまちづくり」の要望を続けている市原市の障害者と健常者の交流グループ「市原ウィズエブリワン」(倉田知典会長、会員105人)が、もっとも身近に使う歩道の車イスチェックを同市の五井駅西口周辺で行った。
 10月定例会の一つとして同会の自立生活セクションが取り上げたもので、障害者、健常者30人が参加した。
 午前10時過ぎ五井駅西口に集合、メーンの通りを3班・3コースに分けてスタート。健常者もし福祉会館で借りた車椅子3台に交代で乗ったり、後ろから押すなど本人あるいは介助者の視線でゆっくり歩いた。
 チェック項目は
 1.段差の高さや歩道の幅
 2.点字ブロックの有無や状態
 3.車椅子で渡り切れる信号の時間か
 4.歩道から車道へ降りるときの角度
 5.自転車や車などの障害物が置かれていないかなど。
 体験してみて最も問題となったのは歩道と横断歩道、車道などとの段差。なだらかな傾斜になっていれば車イスで上がることにそう支障はないが、ちょっとした段差があると介助がかなり難しい。高いところでは5cmの段差があり、障害者が一人で買い物をするにはかなり危険が伴うことを実感させた。
 また鉄製の排水溝が帯状に並んでいるところがあり、車椅子の車輪がすっぽりはまって取れなくなるなどの欠陥や点字ブロックが各所で破損したまま状態で放置されていたり、放置自転車なども相変わらず多いことが分かった。
 同グループはこれまでにも同じようなハンディキャップ体験を繰り返し行い、市や関係機関に「車イスを利用している人たちでも気軽に電車に乗ったり、買い物が出来るような環境を整えて欲しい」と要望していたり、実際に福祉マップなども作製している。しかし改めて行った今回のチェックでは「思うほど改善や点検が進んでいないことを実感した」としており、今後も活動を通じて「人に優しいまちづくり」を目指したい、としてる。


1999.7.8 千葉日報
勤務雇用確保やヘルパー派遣も 障害者自立に支援を
市原ウィズエブリワン 市長と懇談し要望

 障害者と健常者の交流グループ「市原ウィズエブリワン」(倉田知典会長、会員約100人)がこのほど小出善三郎市長と懇談、障害者の自立に対する支援を要望した。
 同グループは障害者や高齢者が安心して生活できるバリアフリーを目指し、レクリエーションなどを通じた交流で仲間づくりやふれあいを深めるとともに定期的にハンディキャップ体験などを行い、駅や公共施設などの改善点を行政を通じ定期的に要望している。
 今回は特に最重要の要望として自立への支援を取り上げた。具体的には 1.重度障害者自立支援センターの設置と運営への参画、勤務雇用の確保 2.介護人派遣事業の実施 3.休日・夜間を含めた短期ホームヘルパーの派遣 4.市主催のハンディキャップ体験の実施などとなっている。
 また市が策定した障害者基本計画の具体的推進を図るため福祉事業へのエブリワン会員や在宅重度障害者の参画。また障害者理解を推進するため紙等が関係する講演会や学校の福祉教育の場で障害者自身が体験談などを話す機会を設けてほしいとしている。
 要望は市長との懇談という形で行われ、文書以外にも同行した障害者から「辰巳台のボランティアセンターに福祉ショップを」「帝京病院行バスの増便」などの声があがった。
 小出市長は「いっぺんには難しいがまずできることから実現していきたい。特に計画や事業の中に障害者らの意見をくみ取り、運営にも反映していくことは行政としても大切」と話した。


1998.12.2 千葉日報
自立や社会参加支援へ
在宅雇用など求める 市原ウィズエブリワン小出市長に要望書

 自立生活や積極的な社会参加などを目指し、幅広い活動を続けている障害者と健常者の交流グループ「市原ウィズエブリワン」(倉田知典会長)が1日、「障害者らの福祉向上に関する要望書」を小出善三郎市長に手渡し、懇談した。特に一部の自治体や民間団体などで行われている在宅勤務による雇用や策定中の福祉計画に障害者の参画を求め、生の意見を反映させてほしいとしている。
 要望書はウィズエブリワンばかりでなく、ハンディキャップ体験やレクリエーションなどの活動を通じて交流している多くの団体の意見を集約する形でまとめられた。「障害者の自立生活」から始まり、ディサービスなどの療護施設、社会参加を支援する福祉施設や交通機関、歩道改善など多岐にわたっている。
 特に「障害者の自立生活」では札幌市や横浜市などで進んでいる重度障害者自立生活支援センターの設置などを要望。他市からの情報収集や設立準備への参画を求めている。また在宅勤務では東京・江戸川区で福祉電話相談員、栃木県社会福祉協議会でも同様の試みが始まっている、としている。
 このほか倉田会長自身が市保健福祉懇話会委員として参画していながら、今年度中に策定予定の「障害者基本計画」の会合がいまだ1回しか開かれていない現実などをもとに、いろいろな福祉施策の企画・計画段階で障害者や高齢者を積極的に委員に登用し、意見反映に努めて欲しいなどの要望が出された。
 また他のメンバーからは「学校教育のなかのゆとりの時間などで福祉教育を実践していくことが長い目で見た理解や交流につながっていく」「クッキーや菓子作りが得意ですが、販売できるような機会や場所があれば」などの意見も出された。
 倉田会長らとは何度も会談している小出市長も「本当は全部実現できれば素晴らしいのですが、当面はできることから取り組んでいきたい。私ばかりでなく担当や職員全体が皆さんの意見を聞くような行政運営を心がけたい」と前向きに懇談に応じた。
 要望書にはグループで進めているハンディキャップ体験などをもとにJRや小湊鉄道、バス、タクシーなど公共交通機関への細かい要望項目も添えられている。
 エレベーターやエスカレーターの設置、ホームでの呼び出し装置、弱視者でも識別できる黄色い点字ブロックへの統一、ホームと電車の段差の解消、障害者用トイレの設置などで、ハンディキャップのある人たちが安心して外出、利用できるように呼びかけている。

 


1997.12.30 千葉日報
障害者が自立できる街へ
交流グループが市長と懇談 交通機関の改善など要望

 障害者や高齢者が健常者と一緒に安心して生活できるバリアフリーへの取り組みが各地でようやく活発になってきたが、市原市でこのほど、交流グループの「市原ウィズエブリワン」(倉田知典会長)と小出善三郎市長が懇談した。
 グループで進めているハンディキャップ体験などをもとに公共交通機関の改善や自立生活へ向けた行政への要望などを熱心に話し合い、市長からは「公共施設などを計画した際は障害者の代表らを会議に参加させたい」の約束も行われた。
 同グループは現在約120人(うち障害者30%)のメンバーを数え、一緒に活動しながら友達作りを進めている。これまで、福祉マップ作りなどの目的で市内の八幡宿、五井、姉ヶ崎のJR3駅をはじめ大きな公共施設のハンディキャップ体験を行い、これで得たいろいろな課題を市に要望してきた。
 今回の市長との懇談では集大成として、改めて3駅ばかりでなく千葉急行のちはら台駅や小湊鉄道、路線バス、タクシーなど全ての公共交通機関の改善課題をまとめて提出した。
 内容はエレベーターやエスカレーターの設置、ホームでの呼び出し装置、弱視者でも識別できる黄色い点字ブロックへの統一、ホームと電車の段差の解消、障害者トイレの設置などで、ハンディキャップのある人たちが安心して利用できるよう呼びかけている。
 さらに今回の懇談では「障害者の自立生活」へ向けて
 1.計画段階で障害者や高齢者を委員とすれば的確な意見を把握できる
 2.在宅重度障害者らの雇用の確保
 3.障害者理解を推進するため日常の体験談などを話す場を設けて欲しい
など突っ込んだ理論が行われた。 具体的な回答は文書で行われることになったが小出市長は「できることから取り組んでいきたい。特にこれからの公共施設や福祉全般の将来計画などではぜひ障害者らの意見を聞くことが必要」と前向きに話をした。