2006年、元旦―――。
6時起床。まだ夜は明けていない。
翌々考えてみれば、地元の方が早いのは当り前か。
TVにて天気予報を確認。どうやら晴れらしい。
いや、きっと晴れどう考えても晴れ間違いなく晴れ絶対晴れだ!
身支度を済まし、7時半に出動。
県道13から県道160で南下。いや、実際のところややこしさ少々。
R370へと交わるところのコンビニで朝食を取る。
天気良好。
何故どうしてか電装品の不具合発覚。速攻にて処置。
ルート選定後、出発。
R370を東へ。
初めやや狭い集落個所を幾つか抜けるがその後はごく普通な国道だ。
道は空いている。
R370より県道19へ。
曲がりくねった車一台程の道幅となり標高を上げる。
雪&凍結は見当たらない。更に標高を上げる。
そう高くはないが周りの山々が見渡せる。
まだ標高を上げる。
日陰に雪が目立ってきたが路面はまだ大丈夫だ。
まだまだ上へ。
徐々にアイスバーンが出現するが走行は可能。
もっと上へ。
民家の屋根にも雪がある。そして道幅を覆うアイスバーンが現れる。
勾配がキツイので乗車した状態では無理だ。
バイクを降り一速アイドリング付近で走らせる。
この場合、タイヤを通すのは路肩付近の圧雪された部分とされてない部分が上等手段だ。
通過したら再び乗車。
こんな感じでも峠付近まで辿り着いた。
路面全部はそうでなくても周りにはそれなりに雪がある。
下りとなり山中を先へ進む。
が、状況が怪しくなってきたので一旦バイクを止めて徒歩で確認をする。
全面アイスバーンが先まで続いているのが見える。勾配もかなりある。
この先へ進んでも何をしに来たのか判らなくなりそうだ。
これ以上は無理だろうと思い、止むを得ず引き返した。
県道19を途中まで引き返し地図を確認しながら暫し考える。
ダートを走りたいが、この一帯の山を越える事は不可能なのか?
一定の標高以上はダメだと思えた。かなり迂回が必要な様だ。
とりあえず同じ道ではつまらないので、地図にのっていない道を下り再びR370を東へ。
平坦な1.5〜2車線の極々普通の田舎道を走る。
目欲しい物は特に無い。
R370よりR480を高野山方面へ。
雪、チェーン規制の表示が目に留まる。
少し登ったところで一旦停止し考える。
この路面の濡れ具合から察すると上は芳しくない気がする。
先程と同じはご免だ。
そう思いUターンしR370を北上。
低速コーナーが続きシェルパでも中々楽しめる。
が、観光バスに要注意。バスガに見惚れるな!?
路面は問題なくクリア。
県道102との分技へ来た。左が国道、右が県道そして不明の直進路がある。
面白そうなので直進する。広域農道と表示がある。
坂を駆け上がり視界が開けた。
そこで、思わずバイクを止める情景が待っていた。

雲の全く無い青空と山並み。そして無風。
過去のロングでここまで条件が揃う事は有り得ない代物。
日本のお正月を問答無用に象徴しているかの様に。
偶然という名の当りクジは思わぬところに転がっているのかもしれないと思った。
丘を下り紀ノ川を渡りR24を東へ至る。
橋本市へ入ったところで給油をする。
そしてR24からR371を南下。
再び紀ノ川を渡った後、住宅街の裏手を通る狭路となる。
山中に入ってゆく。国道とは本当に名ばかりな感じだ。
四輪同士のすれ違いは困難だろう。
かなり深い谷間を奥へ奥へと走る。
渓谷に若干雪がありチラリズムの如く?目を奪われるが、
所々ある路面の水溜りが凍っていたりするので気を抜けない。
やがて登り坂となり一気に標高を上げてゆく。
除雪された雪が路肩に山積みとなっている。
行けるのか半信半疑ながらもかなり上まで来たようだ。
トンネルを潜ると違う光景が待っていた。
まるで別世界で道路以外は至る所雪だらけ、日光が反射して眩しい。
トンネルからは下り坂を降りてゆく。
先へ進むと初詣客で賑わっているのが見えてきた。
どうやら裏ルート?で高野山まで来れた様だ。

土産物屋が立並ぶ道を進むが路肩の雪と路駐で混雑している。
そのままR371を進もうと試みたが、土産物屋の裏手は
全面アイスバーンそのもので断念せざるを得ない状況だ。
暫し考え込んでいると表ルート?方向からロードバイクが通り過ぎた。
結局のところ表ルートもOKらしい事が判明し、時間を無駄にした気がしなくもなかった。
R371からR480へと切り替わり、四輪に紛れて高野山を下る。
楽しい?高野山一周を済まし、再びR370を西へ戻る。
この近辺の山はぶっちゃけダメだろうと諦めた。
その後は標高を確認してからルート選定をする様になる。
このまま海岸へ出てしまうのも何なので、R371からR424を南へ。
ガラ空きにつき快走。と思いきや、山へ差し掛かるとまた狭路となる。
コーナーを次から次へと登り、黒沢牧場とあるとこまで来た。
この辺が最標高らしい。流石にこちらは雪が全く無い。
そして下りへ。展望が良く見渡せる。やや四国っぽい気がしなくもない。

走りながら段々南紀の道路事情ってのが見えてきた。
様は、主要国道以外は国道とは名ばかりの道で未開発区域大多数なのではと。
R424から県道22で山を離れる。
R42へ出て少し南下した後、県道23へ至る。
既に日が傾いてきている。
ターゲットは夕日に染まるシーサイドライン。
この天気ならばイケるはずだ。
今度は海岸沿いを走る。内湾の穏やかな海が広がっている。
潮の香りがどこか懐かしい。
道幅のやや狭い個所もあるが快適な道だ。全走車も何故かいない。
何気に美味しい、いやかなり美味しいルートかもしれない。
県道24に入り、その美味しさは更に増す。
良く整備された道路だ。海が間近に迫る。
適度なアップダウンとコーナーが続く。
路面良好、道幅良好、コーナー良好、風景良好
良好良好良好!
オンロード車大歓迎、正直ZZ−Rで突っ走りたいと思わずにいられなかった。
やがて奇妙な形の岩が見えてきた。

白崎海岸。地図に載っている写真の場所だ。
バイクを停め、海を眺めながら暫し黄昏の一時を。
タバコが旨い事この上ない。最早「格別」。
その後、オレンジ色の光に包まれる中を快適な海岸線を駆け抜けた。
伸びた影を追う様に、記憶に焼付けながら・・・。
御坊市に入り、県道24から再びR42で南下する。
交通量は多いが流れはかなり良い。既に暗くなり始めている中を走る。
途中のコンビニに立ち寄る。田辺市まで16kmの標識を確認。
一服後、走り出す。
田辺市に入り国道を逸れて県道31?で市内へ至る。
いやしかし、田辺市内は何か分かり難い。
夜となってしまったから尚更か。
一旦市内を通り過ぎ、国道へ出たところで給油を済まし再び市内へ戻る。
今度は紀伊田辺駅へと向かい、そこから今夜の宿を探し回る。
結局、事前に調べた最安宿に決定。
そこは所謂旅館系安宿。
こういったところは初めてで少々戸惑いもあったが
昭和30年代の造りながら何故か落ち着きくつろげる。
これもある意味当りなのか。
その後、食事をしに外出する。
駅前にラーメン屋を発見したのでそこで済まし、
コンビニで買い物をし宿に戻った。
そして入浴。独りではちょっと広すぎる風呂だ。やはり快適極まりない。
再び紀伊半島を走る時は、また訪れたい宿だと思った。
元旦からメガヒット的で時間を忘れて走ったが、
明日からはどうだろうと思いながら就寝。
本日の走行距離、295.2km。
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