1月2日―――。
6時起床。
まるで自分の部屋の様に安眠出来た。
が、外は雨音が聞こえる。
廊下へ出て窓から確認。ドシャ降りではないがそれなりの様だ。
TVの天気予報によれば、大した事はないらしい。
そんな心配をしながら荷物をまとめ身支度をし、宿を出る頃には雨は止んだ。
念の為、雨具を着用し出発。
田辺市を離れ、県道33を南下。
まだ朝なので道路は比較的空いている。
白浜町へ入り、県道34へ。
次第に景色は南国リゾートムードへ変わる。
雨の心配はなさそうだが、曇っているのが惜しいとこだ。
ホテルや旅館が立並ぶ道を進むと、やがてメインビーチと思しきものが見えてきた。

バイクを停め見渡してみる。
なるほど、確かに白浜そのものだ。
綺麗なところを更に綺麗にしているのだから我が街スラハマ如きでは敵わない。
こんな天気でもそう思える様に見える程だ。
ただ、ココでない海岸は砂の色がちょっと違うのが胡散臭い気がするが。

我が街でない白浜町を離れ、県道34からR42を南下。
相変わらず流れは良いが、山の迫る海岸に沿う道なので直線は余り無い。
地元、鴨川方面に似た風景が続いている。
途中、道の駅「イノブータンランド・すさみ」へ立ち寄るが目欲しいものは特になかった。
一服し、再び出発。
このまま海岸沿いを進んでも余り面白そうではないので、適当なところから山へ入る。
初め県道225の予定が通り過ぎてしまい、県道36へ。
やはり狭路の舗装林道系の道だ。
連続する急カーブを駆け上がり、振り向けば海が山の間から見える。
標高はそう高くはない。流石に雪や凍結は見当たらない。
先へ進み、県道36より「大鎌・椎平林道」へ至る。
分技より舗装路を下ってゆく。
やがて集落へ抜け出た。T字路があり、それを南へ。
ほどなくして、やっと今回初めてのダートへ辿り着いた。
ダートを登る。
道幅それなり、路面は特に荒れてなく走りやすい。
峠を越え下る。
山の急斜面にへばり付く様な道となる。
地図に書いてあるのとは違い、木が生茂っている為展望は余り良くない。
木がガードレールの代わりとなっている個所もあった。
程好いダートを難なく通過し、舗装路を下り
R42へ出たとこでUターンし再び林道を戻る。
いや、さっきのT字路が気になって仕方ない。
地図を良く見たら県道39へ抜けられる様だ。
雪による通行の心配がなければ山間部の方が面白いだろうと思い、
T字路まで戻りそこから東へ。
川沿いの舗装林道を走る。
途中、支線のダートっぽいのがあるが都合上その辺はパス。
県道39へ出て、R371へ至る。
橋を渡りR371へ出たところで一服する。
空を見上げたら晴れ間が見えてきた。
天気はもう大丈夫の様だ。
R371を下り、串本町を目指す。
割と整備された国道を走る。
古座川峡という渓谷沿いの道であるが、開けていて見渡せる。
渓谷を離れると登りとなり無数のコーナーが現れた。
「六郎峠」
まさに峠そのもの、ロードマシンならばかなり美味しいセクションだ。
またしてもZZ−Rでないのが惜しい。
峠を下りR42へ出て潮岬を目指す。
交通量が結構増えてきた。
国道より県道41へ。
何故か銚子有料道路の様な風景が・・・?
正午、潮岬へ到着。
気温は11℃。「望楼の芝生」を歩く。
だいぶ暖かくなってきたので、雨具を着ていると暑い位だ。

とりあえず本州最南端の碑の前で記念撮影を。
しかしながら、そこから見る海岸は足摺岬に良く似ているが。
売店にて、有料であるが訪問証明書があり発行して貰う。
まぁ、記念という事で。
過去に訪れた最西端のは入手し忘れているのを思い出したり・・・。
観光タワーのところまで戻り、土産を物色する。
地元にある様な海産物系が多く、それ以外の線でゆくと
梅ナントカばかりになってしまった。
地域限定スナックが見当たらないのは残念だ。
バイクへ戻り、地図を見ながら今夜の宿泊地及び今後のルーティングについて考える。
どのルートが賢明か、己とゆう名のナビゲーションがフル起動。
暫し考え込み、そして決定。
もう雨具は必要ないので脱ぎ、出発。
岬から東へ経由する。
紀伊大島へも寄りたいところだが、そちらはパスし国道へ出たところで給油する。
そして再びR371へ。
峠を抜け渓谷沿いを少し走ると先程“嫌でも気になるもの”があったので少々道草。

「古座川一枚岩」
呼び名の通り巨大な一枚の岩盤が川より立ちはだかる。
川原へ降りられるところがあったので降りてみた。
相当面積がある為、カメラを広角にしても
かなり後退しなければその全てを収められない程だ。
余りノンビリしてもいられないので、さっさと撮影を済ましR371を奥へ。

七川貯水池までは整備された道であったが、そこから先は一車線の狭路となる。
平井地区辺りでどれが本線なのか少々判り難い。
四輪不可の看板があった様な気がしたが適当に進んでみると、
これが国道なのかと疑いたくなる道となる。

左手は渓流、ガードレール無しの所謂シングルトラック。
転落注意だ。
どう考えてもおかしい様に思ったが、道は続いているのでとりあえず進む。
奥へ進むと吊橋が現れた。
ガードレール付きの道路もあり標識も見える。
方角は間違っていないが、どうやら道は違ったらしい事が判明した。

バイク可なのかどうか判らないが吊橋を渡る。
そういえば吊橋も初の試みか?
何気に結構揺れる。
揺れる谷間?じゃなくて赤く錆びたワイヤーはソソルものがあったり。
吊橋を通過しR371へ出て奥地を目指す。
かなり山は深いのでとっくに民家は存在しない。
まだ標高もそう高くない為雪も見当たらない。

更に奥へと進むと分技が現れた。
このまま国道を進むと行き止まりの様なので、本山谷平井林道へ。
国道未開通部分を結んでいる舗装林道だ。
更に更に奥へ進むと、急勾配の登りとなり標高を上げてゆく。
きっと昔は未舗装だっただろうが、かなりオイシイ林道に思える。
山の上の方まで来るとやはり眺めが良い。
夕日に染まりつつある山々が見渡せる。
が、マッタリしている時間は無い。
峠部分を越え下りとなり、山の北面へと切り替わる。
気温は零度。人影もゼロ。
流石にこちら側は所々染み出た水が凍り、路面を覆っている個所がある。
注意しながらひたすら下り、林道より再び国道へ移り変わる。
この辺までくるとおおよそ平坦だ。
順調にR371を走る。
が、とにかく時間の掛かる道だった。
やっと合川貯水池まで来た。
橋を渡り分技があるが、そのまま国道を北上。
富里温泉とあるところまで進み、そこから県道219へ。
集落を抜けるとそのまま大塔林道となる。やはり舗装済みだ。
と、ここで急に雨がパラつく。
山の天気だから仕方ないところか。
一旦停車し雨具を着用。
そこでカブを駆り山から降りてきた爺さんが道を教えてくれる。
今から山へ入るのかと思しき表情だった。
再び走り出すと何故か雨は止んだが面倒なのでこのままでゆく。
平坦な舗装林道を奥へ進むと分技が幾つか現れる。
判り難い分技を交わし先へ。
また分技が現れた。片方はダートだ。
特に標識が無く、半信半疑ながらダートへと進んでみた。
思考能力やや低下?
勾配はそう無いものの、吹溜りなのか雪のある個所もある。
更にダートを走ってゆくと、やがて沢に辿り着いてしまった。
行き止まりだ。どうやら大間違いらしい。既に日はかなり傾いている。
遊んでいる暇は思いっきりない!?
ダートを戻り再び舗装路を先へ。
大杉トンネルを抜け本宮町になる。
そこから大塔川林道となりダートとなった。
道幅は狭いながらも結構良いダートだ。
やがて全面シャーベットな橋が幾つか出現するが
漕いだり降りたり押したり引いたり触ったり揉んだり?しながら何とか通過。
川沿いの断崖路を直走る。
ガードレールの無い個所もある。最早、日は落ちてきた。
左手渓流、右手岩。深い谷の為何気に眺めが良いが
徐々に暗くなってきているのでそれどころではない。
所々ある水溜りが凍っている様に思えるが、渓流に落ちない様に
薄暗い林道を先を急ぎおかまいなしに突っ走った。
漸く林道を抜け、舗装路になったとこで一服する。
とりあえず一安心。
いや、かなり時間が掛かった。17時を過ぎている。
辺りはもう真っ暗だ。
県道241を経てR168を南下する。
交通量はあるが流石にまともな国道だ。
夜道を流れに乗って走り続ける。
小一時間程走り、新宮市へ到着。
とりあえず給油を済まし、ビジネスホテルへ。
表通りから判り難かったが、駐車場が地下だったので安心極まりない。
ホテルのフロント係りの人と暫し談笑。
中々気さくな人だった。
その後、近所のコンビニで食料を調達。
後日の事を考えながら弁当を食す。
そして入浴だが、ドライヤーはあるが髭剃りは無い。
中々パーフェクトとはゆかないのが安宿巡りの旅か。
そして就寝。
え、“大人のチャンネル”?
それは愚の骨頂だ!?
本日の走行距離、295.5km。

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