1月4日、最終日―――。5時起床。


そう、旅はまだ終わっていない。今日1日がある。

朝食を取り、身支度速攻でホテルをチェックアウト。
心配だったバイクは無事で何よりだ。
まだ完全に夜は明けていないが、街は動き出している。


浜松市内よりR152、県道45を経て浜松ICから高速へ乗り東京方面へ。
やがて夜が明けた頃、掛川ICより高速を降りる。

IC入り口のGSにて給油。
そして少々道を間違えながらも県道39へ至る。
空は曇っているが風の無い日和だ。


県道39を北上。ひたすら奥地へ進む。
やがて矢高山のダートへ辿り着いた。
林道名は良く判らないが、整備され綺麗な走りやすいダートだ。
やはり水溜りは所々凍結しているが、この標高だと雪は殆ど見当たらない。







登りや下りを繰り返し、難なく走っていると五又路へ出た。
案内板があるが、どうにも判り難く考え込む。

舗装路も分技しているが、とりあえず違うダートへ進んでみた。
路面は同様に走りやすい。

また分技が現れたので適当に行ってみた。
見慣れた風景な気がしていると、再びさっきの五又路へ戻った。

また違うダートへ行ってみる。
更に支線へ行ってみたりもしたが、行き止まりだったりして
やはり同じところへ戻ってきてしまう状況に陥る。
自分の居場所が良く判らない。

どうにも初めの林道入り口からして勘違いしていた様で、林道に遊ばれている状態だ。
とにかくコンパスを頼りに迷路を走り回る。







抜けられそうなダートを走っていると、見晴らしの良いところへ出くわした。
そう高くはないが向こうの山々まで良く見える。
空全体が曇っているが雨の心配はなさそうだ。


北面に回り込み進んでいると、雪に覆われた個所があったりするが
さほど問題ではない。普通に走れる。







やがて下りとなり先に進んでゆくと、凍結した滝に遭遇したのですかさず撮影。
もう少し水量があったのならば良い感じな芸術的作品か?







ダートを下って行き舗装路になり、大きい川沿いに出た。大井川だろうか。
とりあえず一服しながら現在位置を確認。
どうやら川根町らしい。


R473を北上、中川根町よりR362へ。

大井川を横目に走る。
暫くして、崎平の駅を過ぎたところより県道77へ至る。
方角的には戻る感じだ。


そして青部地区から文沢林道の入り口を探す。
標識が見当たらず何度か県道を行き来するが、それらしいのを発見し林道へ入った。


簡易舗装を登ってゆくと直ぐダートが現れた。
石の多い路面だが中々楽しめる。

支線や分技をそれとなく交わし、森の中を駆け上がってゆくと視界が開けた。
森林伐採現場と思われ、木が切り倒されていて眺めが良い。

そこから少し標高を上げると尾根伝いの道となった。
やはりここにも路面に雪があったりするが、先程と同様に問題無く通過可能だ。


文沢林道を抜け、下泉笹間林道へ至る訳だが
この辺から何処を走っているのか把握出来なくなる。
とにかくこの山を東へ越えR362へ出たいのだが。


しかしながらダートからダートへ山中を走り繋ぎ、単純であるが実に面白い。
まして知らない道なのだから尚更か。そしてこのロケーションだ。


ダートと舗装路を繰り返していると、道幅のあるダートへ出くわした。
二車線はあるだろうフラットなダートだ。
今更引き返すのも嫌なので、とにかく何処かへ抜けるだろうと
好奇心から更に先へと走る。







再び尾根沿いのダートとなった。左手に頂が雪に染まった山が連なって見える。
標高は1000m位か。展望ルートそのものだ。

と、あの山は文沢林道からはまだ遠くに見えた筈だ。
かなり近づいてしまっているのは何故だろう?

コンパスからして方角的におかしい事に今更ながら気が付く。
気付いてはいてもUターンを嫌う身なのだから、
先に進む事しか知らないのは致し方ないところだ。


やがて下りになった。
勾配のキツイ坂を下ってゆくと、工事全面通行止と看板が掲げられ
完全に道が塞がれている。
この林道は抜けられないという現実に直面したのだった。


戻るしかない。Uターンし走り出してリルートを頭の中で検索する。
確か途中の舗装路の分技で静岡方面と標識があったのを思い出す。
ただ、そこからここまでの所要時間を考えると少し鬱に・・・?

林道を引き返しながら、この山の東へ下っている支線に入ってみたりしたが
どれもこれも茶畑へ辿り着いてしまい行き止まりで無駄に終わる。
いい加減タイムリミットも近いので素直に標識のある分技まで戻ったのだった。


静岡方面へと示されている分技より、直ぐ広い道路へ出た。
そして少し走ると小さい休憩所があったのでそこへ立ち寄る。

一服しながら現在地を確認。この道路がR362らしい。
となるとさっきの林道は何処だろう?
どうやら智者山林道だと判明。
何処をどう通ったのか、知らぬ間に入り込んでいたのだった。

しかしながら、この一体の山々は至るとこオイシイ林道だらけだ。
機会をみて、余計な荷が無い状態で再び訪れたいと正直思った。


さて、時刻はとっくに正午を過ぎている。いよいよ帰路に向かわなくてはならない。
そして林道パラダイスを後に走り出した。


R362を南下し静岡市へ至る。
山間部を離れ静岡市が近づくにつれ交通量が増えてくる。
市内に入り一旦給油を済まし、14時頃静岡ICより東名へ乗った。

時間が早い為か、特に渋滞することなく順調に流れている中を走る。
今年の帰路の富士山は天候が曇りな為まあまあといったところか。


そんなこんなで一気に横浜町田ICまで辿り着き、横浜横須賀道路へ。
その後、日野ICで降りる筈が間違えて港南台ICで一旦高速を降りる。
最寄のGSで給油を済まし、ラフ&ロード横浜で暫しお買い物。

そして再び日野ICより高速へ乗り、南下。
終点佐原ICで降り、久里浜へ至る。


久里浜港のフェリー乗り場へ到着したら既に乗船準備が始まっている。
急いで切符を買い、17時15分発の便にギリギリ乗船できた。
待ち時間ゼロというより、運行に支障を来たしたかもしれないが。


毎度お馴染な東京湾を渡りながら日が暮れた。
いよいよこの旅も終わりを迎える。
昨日の伊勢湾とうって変わって海は静かだった。


金谷へ到着し、下船。R127を南下する。
地元はやはり暖かい。
館山市内より再び林道「畑・白浜線」へ至る。


何事もなく林道を抜け、山の上から“我が街スラハマ”を見下ろす。
変わらぬ日常へ帰ってきた。


18時55分、自宅到着。


何も告げず発ってしまったが、少し気を回した土産によりOKといったところか?
心が広いのか無神経なのか、とりあえずお袋に感謝。

その後、食事を済まし入浴。そして就寝。


え、サザエさん?
イイ歳こいてそんなものは踊らない!?


本日の走行距離、406km。