XPORTのカスタム2


●ツーリング仕様の検討
●SS1/32マイルレース仕様
●外観編
●保安部品編
<このページ>
モーターの慣らし運転
モーターチューン
駆動系の芯だし
バッテリーの変更
タイヤのチューン
●内装変速機の装着
●フットデッキのカスタム
●充電器のカスタム
●モーターの冷却
●バッテリーゲージの装着
●Palmを使用したデーターベース作成




モーターの慣らし運転

H15.3.30
慣らし運転には、ラジコンモーター用のエージングマシン(慣らし機)を使用した。
電力をエージングマシンに供給し、ボリュームにて出力を調整するタイプである。
供給電圧は7.2~12Vとのこと。
モーターはフレームに載せたままだが、ベルトだけ外して空転させた。
エージングは出力の
30%で2Hr
50%で1Hr
80%で30Min
行った。
30%と50%は12Vバッテリー1個付けで60%と100%の出力で、内臓タイマーを使用して行った。
80%の出力は24Vバッテリーとして、内臓タイマーは使わず30分行った。
(エージングマシンのインプット電圧が低いため内臓タイマーを壊すかなぁと思って(^^; )
冷風をモーターに当てて行えって取説に書いてあったんだけど、
今日は風が強かったので、風当たりの良いところに持ち出してエージングを行った。
実走行は、また後日!


▲エージングするためドライブベルトを外す


▲エージングマシンで慣らし運転中

走行後は、駆動ベルトを外し無負荷状態で、30%設定で30分ほどブレークインするとよいとのこと。
これは、モーターの電極(コミュテーター)とブラシを研磨する働きがあり
両者のコンディションを良好に保つ働きがある。
別のモーターを駆動させて電流をかけずに行うともっといいんですけどね(^^;
コミュテーターは研磨機で1皮剥くと真円も出ていいみたいです。

36V使用後のモーター分解


これがXPORTのモーター
プラスネジ2本でケースが
固定されている。
使用後の慣らし運転はしていない。

フロントのスプロケットは
3mmのヘキサゴンレンチ
で固定されている。
これを外すことがモーター分解の第一歩となる。

モーターの先端側(蓋部)と胴部に刻印がある。

蓋部にはベアリングメーカー名のNTNと型番の62012の刻印が確認できた。
両シール型のようである。

蓋を外すとこのような感じ。

ブラシ側はこのように刺さっている。


ブラシはこのように4方向に位置している。
ベース側のベアリングの
型番6992


ブラシとコミュテーターの接触面はうまい具合に凹み
ができていた。
しかし、4つのうちブラシの縁が1か所掛けていた。
購入時に慣らし運転をせずにアクセル全開にしたのが原因か?!

ベースをケースから外したところ。
2本のネジで固定されている。
青い配線はサーミスタでモーターケースの温度を監視してオーバーヒート時に保護するようになっている

36Vで数百メートルダッシュを繰り返したあとのコミュテータ。
電極の恥の部分が黒くなっている。スパークした痕と考えられる。各電極の右側部分が黒くなっている。
ここはブラシと最後まで接触しているところだ。

ペーパー掛けしたところ。
ローターをまわしながら
研摩した。
本当は研磨機で1皮剥きたいところだが…

モーターのチューン

H15.4.13
モーターブラシの交換
XPORTのモーターブラシは、
伝導率がよいため36Vでは電流が流れ過ぎて
スパークが多くなりモーターを痛めてしまうらしい。
そこで
ケーズファクトリーから試供を受けた対策ブラシの装着を試みた。

▲改良品ブラシ(ケーズファクトリー製)

改造ブラシのハンダ付けですが、半田ごての容量は大きめの方がよさそうです(^^;
15Wぐらいの半田ごてじゃ、やはりあとでポロポロと取れてしまいます。
ブラシのリード線に半田を盛るにはいいんですけどね。
ということで板金のハンダ付けができる80Wクラスのこてを購入して
無事半田付けが終わりました。

コミュテーターの隙間埋め
使用電圧があがること、高回転で使用した時のコミュテーターの隙間(段差)により
ブラシがジャンプしてスパークすることを防止する目的でこの隙間を埋める加工を施した。


▲使用したエポキシ系接着剤

段差を埋めるのに使用したのはエポキシ系接着剤。
隙間に流し込みたかったのでパテよりも粘性の低いものが便利かなぁと思ったから。
10時間硬化タイプしか入手できなかったので硬化するまでちょっと時間が空いてしまった。


爪楊枝の先にエポキシ接着剤を付けコミュの隙間を埋めて行く

高回転時のブラシのジャンプ(スパーク発生にも繋がる)を抑えるためコミュの隙間を埋めてるわけだが
爪楊枝の先にエポキシ接着剤を付けコミュの隙間を埋めていく作業は気が遠くなりそう(笑)
#嫁がいたら絶対に邪魔されていたな(笑)


接着剤が硬化後、ナイフで削り、ペーパー掛けして余分な樹脂を落とした。
ローターを回転させながらペーパー掛けをすると楽である。
蓋部にはベアリングがついているので、ローターをここに刺して
まわしながらコミュテーターのペーパー掛けをおこなった。
〜タクミさん情報〜
コミューターを埋めるのにセメダインの耐火パテを使うと楽です。
耐熱温度が1100度で1液性です。
かなり粘度があり硬めで、硬化時間もヒーターなどで暖めてやれば1時間位で固まります。
1回大まかに付けて一旦削り落として、仕上げに段が無いように薄く付けて
回しながら削り落とせば結構綺麗に出来ます。


慣らし運転をしたあと、36Vで走行してみた際の最高速、0-50mのタイムを比較してみる。
また、分解してコミュテーターを状態を確認しどれくらい改善されるか
比較する。


H15.4.21-24
今週はモーターのブラシを変えてトライしてます。
スパーク対策にカーボンブラシ(100%)を使用してみましたが、
僕のXPORTモーターでは最高速が10〜20%落ちてしまいました…(^^;
またブラシも動きがスムースになるよう組み付けなければならず
なかなか奥が深いですね…(出力で5%ほど違ってくる)
最高速だけでなく加速も変わってきますから。
加速が鈍くなるのですが、電力消費も抑えらるらしく標準ブラシでアクセル全開に
した時にバッテリーインジゲーターがイエローまで下がる現象が起こりませんでした。
航続距離を稼ぐには有効かもしれません。
これは、ドラッグレースが終わってから実験してみたいと思います。



▲慣らし運転直後のコミュテーター



▲走行直後のコミュテーター

カーボンで真っ黒っという感じです。
走行後は低速で30分ほど慣らし運転をしたほうがよいみたいです。
またカーボンブラシは標準ブラシと比べると柔らかいため
分解清掃をコマメにやったほうがよいかなぁという感じです。

H15.4.28
前日に36Vにて変速機を使用して5本ほど走った。

モーターを分解すると、プラス側のブラシのリード線が抜け落ちスプリングが焼き付いていた。
(元の長さの2/3ほどの長さで焼き固められていた状態)


▲抜け落ちたブラシと変形したスプリング

ブラシハウスは真っ黒になっていました(^^;
前々から臭っていたのはブラシのベース基盤の焼けた臭いようでした。

今後試してみたいこと

・モーターの進角


モーターの磁石とブラシの位置を変更すると出力特性が変わるとのレポートがあった。
ラジコン用の2極モーターなのだが
進角が15度未満の場合は
パワーバンドが狭く、最高出力の発生域が低速域にシフトしているのに対し、
 15度を越える進角では、進角がつけばつくほどパワーバンドはフラットになり、
最高出力の発生域も高速側に シフトしていくとのこと。
4極ブラシを持つEXPORTのモーターだとどうなるのだろうか?
ノーマル(刻印を合わせた状態)の進角は0度でした。
ちなみに刻印のところにブラシがちょうど来てます。
XPORTのモーターは進角させやすい構造なのでそのうちいたずらしてみます
(H15.4.20)

駆動系の芯だし

H15.4.20
駆動ラインの歪みによるフリクションロスを抑えるために
・モーター軸とリアアクスルシャフトの平行出し(進行方向に垂直となるよう)
・フロントスプロケットとリアスプロケットのチェーンライン出し
 (ベルトドライブなのでベルトライン?!)
を行った。
(1)リアアクスルシャフトの平行出し
XPORTのスイングアームには目盛りは無く、またアジャストプレートには
合わせマークもないため左右均等に引くのが難しい。


▲XPORTのリアアクスルアジャスターまわり

マジックでアクスルナットを緩める前に、元の位置を記録するために
アジャスタプレートとスイングアームに印を打っておくとよい。


▲目盛りシールを左右に張付けた

テプラ等で目盛りシールを作りスイングアームに張り付け左右の引き代が判るようにした。
この左右の目盛りを合わせることでリアアクスルシャフトの芯出しを容易に行えるようにした。

現行の欠点だが、バイクに比べるとアジャスタプレートの遊びが大きいため、
合わせマークが動いてしまい精度が悪い。
アジャスタボルトの位置が定位置に来るように今後改良を加えたい。


(2)フロントスプロケットとリアスプロケットのチェーンライン出し
リアアクスルシャフトの位置が決まったところで、前後のスプロケットにベルトを掛ける。
Fスプロケットの位置を調整する(ずらす)ことでチェーンラインを決める。
Fスプロケットには2つのイモネジがあって、1つはモーターシャフトの切り欠きにあわせ
回転方向に対してずれないようにするもの。
もう一つはモーターシャフトと固定するものでる。
まず切り欠き側のイモネジを締める。
Fスプロケットがモーターシャフトを移動できるぐらいの締め付けで十分。
次に車体を浮かせ、後輪をゆっくりとまわし、ベルトが蛇行しない位置にFスプロケットを押し込んで行く。
Fスプロケットの中央部にベルトが位置して、スプロケットガイドにベルトが干渉していないのを確認できたらOK。
Fスプロケットのイモネジを締込みライン出しは終了となる。
後輪を上げてこの手の作業をするのにはミニバイク用のレーシングスタンドなどが
あると便利なのだが、使用頻度が低いこともあり今回は身近にあった小さめな折畳チェアを使用した。


●チェーンラインのたるみについて
かみあい伝達の場合、ベルトやチェーンのたるみの量が大きいと始動時、
負荷変動時に大きな衝撃力が発生し、
駆動系に悪影響を及ぼすため、
たるみの量は通常スパンの2%前後とする
(機械工学便覧より)。
XPORTの場合、スパンが約20cmなのでたるみは4mm前後を目標とした。

雨で外を走れなかったのですが、車体を前後に押したときの抵抗が全然違いました!
軽く押して転がります。以前はゴロゴロ感が強かった。
これならモーターへの負荷が減らせそうです。
購入直後のスクーターでも実施してみる価値はあると思います。
工場から出荷されてきた駆動系はかなりベルトが張り過ぎな状態になっており
フリクションロスが大きいです。
今後は使用後に遊びが大きくなり過ぎていないかチェックが必要になってくるでしょう。
遊びが大きいとスプロケットの歯飛びが起こりますから。

バッテリーの変更

H15.3.30
0-50m用に12V-2.5Aのバイク用バッテリーを3個レイアウトしてみた。
取りあえずノーマルのバッテリーボックスには収まりそうです。
航続距離はノーマルの1/4に落ちるけど、50mを数本走る分には
保ってくれることだろう。
バッテリーで約3kgの軽量となる。


H15.4.11
36Vにバッテリーを接続し直して計測をしようとしたところでトラブル発生!
電源は入るのだが、アクセルを開けても進まない。
そういえば以前、うめちゃんが707R基盤は36Vで動かない…
といっていましたが、本当になりました(T^T)
試しに24Vにバッテリーをつなげ直すと問題なく作動する。
電圧リミッターでも付いているのだろうか?!

スイッチのオン、オフ、オンを素早く行うことで電源のリレーが入りました!

トップスピード;
28.5km/h(修正値)
0-50mのタイムは8〜9秒といったところでしょうか?
足漕ぎスタートすれば1秒ほど短縮できると思います。

スタミナ;
0-50mを3本ほど走ると電圧が下がってきてトップスピードが落ちてきます。
トップスピードは26.5km/h(修正値)になり、加速も鈍る。
往復するのも全開走行したので実質6本ぐらいダッシュでスタミナ切れです
スクーター用バッテリーは一発勝負用ですね(^^


↑これはバッテリー容量によって放電電流が異なってくるからなんです。
鉛蓄電池の場合、放電電流は定格電流の3倍として設計されてます。
2.5Ahの場合、7.5Aが放電電流となります。
XPORT標準コントローラーの場合、36V-2.5Ahならスタート時の高負荷が掛かる場合でも大丈夫でした。
(3倍以上の電流を取り出そうとするのでバッテリーに負担が掛かってるとは思いますが…)
また、36V-10Ahではスタート時などで高負荷が掛けるとXPORT標準コントローラーの保護回路が働きます。
へたすると、コントローラーから白煙があがります。(SS1/32マイル H15.4.29イワイサーキット編参照)
速度が上がって走行負荷が減った状態で24→36Vに切替えならコントローラーへのダメージは少なくて済みそうです。
アメリカのYahoo!Zappyサイトには、ターボボタンと称して24→36Vへ切替える回路図がありました。
ただ、使い方としては数秒使用するといったものです。

モーターの回転数を計算してみると
24Vで23.5km/hなので、約4000rpmになる。
36Vで28.5km/hの時、約4800rpm、電圧が下がり26.5kmになったとき約4400rpm。
走行後モーターを触りましたが熱くはありませんでした。
…ということは、0-50mで数本走る分なら、モーターの冷却装置を付けなくても
何とかなりそうです。


タイヤのチューン

H15.4.16
XPORTに装着可能なスクーターのタイヤをピックアップしてみた。
ノーマルのタイヤは外周が96cmなので、最高速アップにはスクーター用の
タイヤは必須といえよう。
また、サイズアップすることでエアの容積が増えるため乗り心地も向上する。

<2.50-8インチ>モトコンポ用
DUNLOP製 K398

<2.50-8インチ>
DUNLOP製 K233
リアタイヤ用?

<2.50-8インチ>モトコンポ用
ブリジストン製 MOLAS-ML
タイヤ外径:332mm
タイヤ周長:104cm

<2.75-8インチ(70/100-8インチ)>ZOOK用
IRC製 MB52
タイヤ外径:343mm
タイヤ周長:108cm


<3.00-8インチ>
ブリジストン製 HOOP-B01
タイヤ外径:361mm
タイヤ周長:113cm


<3.00-8インチ>
ダンロップ製 POLSO-D306
タイヤ外径:367mm
タイヤ周長:115cm



←戻る                                                                            次のページへ→